
機関の排気を利用して、排気タービンを回し、これに直結したブロワーで空気を送るものとがある。その目的は前に述べたとおり燃焼効率を良くするので、シリンダ当りの出力の増大、燃料の消費量が減少し、出力当りの機関重量の軽減となる利点があげられる。 (6)調速機(governor,speedgovernor) 図23 ガバナ原理図

機関の負荷の変動に応じて、燃料の量を適当に加減して回転数を所定の速度に自動的に保つ装置であって、機関には必らず装備されている。殊に発電機用原動機、タ一ビンなどは精巧なものが要求される。 これには多くの種類がある。例えば遠心式、空気式、油圧式等で、普通は遠心式が多い。 図23は遠心式の原理図であって、回転軸に取付けた重錘が、ばねの力に抗して回転速度の増減に応じ遠心力により開き又は閉じる力を利用して、燃料弁を作動させ燃料の量(蒸気タービンの場合は蒸気量)を加減して、回転速度を加減するものである。ばね力を調節して回転速度を調節することもできる。また、最高(及び最低)回転速度のみを制御する非常調速機もある。 3・4・3 蒸気タ一ビン及びボイラ (1)蒸気タービン(Steam turbine) ボイラで作った水蒸気がもっている熱エネルギーを、蒸気の膨張によって大きい流速にして、運動エネルギーとし、その運動エネルギーを、噴き出し口即ちノズルと回転羽根車とによって機械的仕事に変える熱機関である。 蒸気タービンの起源は、遠く紀元前120年頃、ギリシャのヘロンが案出した一種の反動タ一ビンである。これは、かまで蒸気を作り、金属球を支える両側の柱から、球に蒸気を送り金属球の上下に曲った管から蒸気を噴出させると、その反動で球が垂直面内で回転するという原理である。 その後1629年にイタリアのジョバニ・ブランカが図24に示すような衝動タ一ビンを考え出した。さらに1882年にスウェーデンのド・ラバルが図25のような衝動タービンを発明しいよいよ実用機に入ったが、このタービンは非常に高速(4.0000rpm)のため歯車仕掛けで1/10に減速して使用した。1898年にアメリカのゴルドンカーチスが二段多速衝動タービンを実用化し、ド・ラバル式より有利であった。また、一方1884年にイギリスのパーソンスが蒸気の圧力を数段に分け、いわゆる多段階衝動タービンを製作し、発電機に直結
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